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CMS設計総論 更新頻度、運用体制、拡張性からCMSの選び方を整理する。

CMSは、導入したら終わりではありません。

重要なのは、「何を使うか」だけでなく、今後どのようなサイトにしていきたいのか、どう運用し続けるのかを見据えて選ぶことです。

FHWでは、現在の状況だけでなく、3年後、5年後の運用や拡張まで踏まえて、CMSやシステムの構成を考えます。

CMSは「何を使うか」ではなく「どう運用するか」

近年、Webサイト制作のご相談では、「WordPressで作りたい」というご要望をいただく機会が増えています。実際、WordPressは世界的にも広く利用されており、現在もっとも普及しているCMSのひとつです。

一方で、CMSの世界は昔からWordPressだけだったわけではありません。Joomla、Drupal、XOOPS、NetCommonsなど、さまざまなCMSが登場し、それぞれの時代のニーズに応えながら発展してきました。

現在、弊社で取り扱うCMSとしては、WordPressが最も多いものの、Movable TypeやmicroCMSなどのCMS、近年ではKurocoなどのヘッドレスCMSも活用しています。

これらのCMSは長い年月をかけて改善が重ねられ、管理画面や更新機能も成熟してきました。また、CMSそのものの考え方も整理されてきたことで、多くの共通機能を持ちながら、それぞれが独自の強みを発揮するようになっています。

一方で、弊社へご相談いただく企業様の中には、長年運用してきたWordPressやMovable Typeに機能追加を繰り返した結果、運用や拡張に限界を感じ、リニューアルを検討されるケースも少なくありません。

つまり、CMSは導入したら終わりということではありません。

むしろ重要なのは、

  • 今後どのようなサイトにしていきたいのか
  • 将来的にどのような機能を追加したいのか
  • 現在の運用体制はどうなっているのか
  • 数年後の運用体制をどう考えているのか

といった点です。

私たちは、CMSを「有名だから」「利用者が多いから」という理由だけで選択することはおすすめしていません。

現在の状況だけでなく、3年後、5年後の運用や拡張も見据えながら、どのCMSが最適なのかを考えることが重要だと考えています。

WordPressは優れたCMSですが、万能ではありません

WordPressは現在もっとも利用されているCMSのひとつです。更新性が高く、プラグインも豊富で、多くの制作会社や開発会社が対応できます。

実際、弊社でもここ数年間のご依頼では、全ページとは限らず、一部でWordPressを利用している案件が多数を占めています。

お知らせや採用情報だけを更新するケースもあれば、企業サイト全体やオウンドメディアの運用基盤として利用されるケースもあります。UIやリビジョン機能なども成熟しており、多くの担当者にとって扱いやすいCMSといえるでしょう。

一方で、すべての要件に適しているわけではありません。

例えば、

  • 複雑な会員システム
  • 大規模な検索システム
  • 業務システムとの連携
  • 独自の権限管理
  • 複雑なデータ構造

などは、WordPress単体では難しくなる場合があります。

特に、コンテンツが増え続けるサイトや、複雑な条件検索を伴うサイトでは、構造的な限界が見えてくることがあります。

もちろん、それぞれ実現することは可能です。しかし、プラグインやカスタマイズを積み重ねることで、

  • 管理が複雑になる
  • 保守コストが増える
  • アップデート時のリスクが高まる

といった課題が発生する場合があります。

さらに、

  • 表示速度の低下
  • サーバー負荷の増加
  • 脆弱性診断での指摘項目の増加

といった問題につながるケースもあります。

そのため私たちは、WordPressを利用するかどうかではなく、「将来的にどのようなサイトへ成長していくのか」という視点から判断することを大切にしています。

企業サイトやオウンドメディアとして長く活用できるケースもあれば、LaravelやヘッドレスCMSなど、別の選択肢を検討した方がよいケースもあります。

重要なのは、WordPressが良いか悪いかではなく、お客様の目的や運用体制、将来の拡張性に適しているかどうかということです。

CMSを選ぶ前に考えたいこと

私たちがCMS選定の際に確認するのは、CMSそのものの人気や技術的な好みではありません。

まず確認するのは、

  • 現在どのように運用しているか
  • 今後どのような運用をしたいか
  • 更新担当者は誰か
  • 将来的にどのような機能が必要になるか

です。

例えば、コーポレートサイトに記事コンテンツを追加していきたい場合は、WordPressやMovable Typeが選択肢になります。

また、フロントエンドとCMSを分離した構成や、APIを活用した構成を検討する場合には、KurocoやmicroCMSなどのヘッドレスCMSも候補になります。

さらに、

  • 会員サイト
  • 検索システム
  • 業務システムとの連携
  • 独自の権限管理

などを含む場合には、CMSを拡張し続けるよりも、Laravelなどによるスクラッチ開発の方が柔軟性があり、結果的に運用しやすくなるケースもあります。

重要なのは、「WordPressだから良い」「ヘッドレスCMSだから優れている」という話ではありません。

会社の規模、運用体制、更新頻度、将来の拡張計画を踏まえ、その企業にとって無理なく運用し続けられる基盤になっているかどうかです。

私たちは、そのような視点を大切にしています。

将来の拡張性と運用頻度を考える

Webサイトは公開して終わりではありません。

しかし、すべてのサイトが頻繁に更新されるわけでもありません。

実際には、

  • 年に数回しか更新しないサイト
  • 月に数本の記事を追加するサイト
  • 毎日コンテンツを追加するサイト

では、適した仕組みが異なります。

例えば、年に数回しか更新しないサイトであれば、CMSを導入することで更新できるようにするよりも、必要なタイミングで制作会社へ依頼した方が、結果としてコストや運用負荷を抑えられる場合もあります。

また、CMSを導入した場合でも、更新頻度が低いと管理画面の使い方を毎回確認することになり、想定していたほど活用されないケースもあります。

一方で、

  • お知らせ
  • 採用情報
  • 実績
  • コラム

などを継続的に追加していく場合には、WordPressやMovable TypeなどのCMSが有効な選択肢となります。

さらに、

  • 会員管理
  • 業務システム連携
  • 複雑な検索機能
  • API連携

などが必要になる場合には、Laravelなどによるスクラッチ開発が適しているケースもあります。

ただし、重要なのは、「WordPressにするか」「Movable Typeにするか」という話ではありません。

  • そもそもCMSを導入する必要があるのか。
  • どの程度更新するのか。
  • 将来的にどのような機能や運用を想定しているのか。

そうした前提を整理したうえで、CMSやシステムの選択を行うことが重要だと考えています。

Flying High Worksの考え方

私たちはWordPressを否定しているわけではありません。実際、弊社のエンジニアの多くがWordPressの構築を得意とし、またカスタマイズも相当量こなしてきました。

また、現時点でも、LaravelをベースとしたWebサイトの開発・運用、Movable TypeやNuxt+Kuroco、microCMSの開発・運用も行っています。

弊社が長年CMSの運用を続けてきた中で感じるのは、数年前のCMS乱立期に比べ、CMSそのものの学習コストが下がってきていることです。

以前はCMSごとに考え方や管理方法が大きく異なり、制作会社側にも高い専門性が求められました。

しかし現在は、管理画面や権限管理、コンテンツ管理などの考え方が整理され、CMSごとの差は以前ほど大きくありません。

そのため私たちは、特定のCMSにこだわるのではなく、

  • WordPress
  • Movable Type
  • microCMS
  • Kuroco

など、これまで運用してきたCMSだけでなく、お客様の要件に応じて新しい技術やCMSも検討いたします。

つまり、大切なのは、どの技術を選ぶか、ということではなく、お客様の運用体制や将来の展望を理解し、その会社にとって無理なく成長できる基盤を選ぶことです。

CMSは単なる更新ツールではなく、企業の情報資産を支える基盤です。
私たちは、その基盤が将来にわたって活用できるかという視点で設計・提案を行っています。

CMS選定の一例

ケース1|会社案内が中心のコーポレートサイト

  • 更新頻度:年数回
  • 更新担当者:総務・広報
  • 追加機能:ほぼなし

→ 静的サイト、またはシンプルなCMS

ケース2|お知らせや採用情報を定期的に更新する企業サイト

  • 更新頻度:月数回
  • 更新担当者:社内担当者
  • 追加機能:記事追加

→ WordPress、Movable Type

ケース3|施工事例や実績を大量に蓄積するサイト

  • 更新頻度:週数回
  • 更新担当者:複数名
  • 検索機能:重要

→ WordPress + カスタマイズ
またはヘッドレスCMS

ケース4|会員サイトや業務システムを含むサイト

  • 更新頻度:高い
  • 権限管理:必要
  • 外部システム連携:あり

→ Laravel等によるスクラッチ開発

ケース5|API連携を前提とした大規模サイト

  • 複数サービス連携
  • 将来的な機能追加が多い
  • フロントエンドを分離したい

→ Nuxt + Kuroco
→ Nuxt + microCMS
→ Laravel + API

実際には、これらが複合するケースも少なくありません。

そのため私たちは、CMSありきで考えるのではなく、現在の運用と将来の展望を整理したうえで、最適な構成をご提案しています。