アクセス解析、広告、問い合わせ支援、ヒートマップ、動画埋め込み。Webサイトには、画面に見えない外部タグがいくつも入ります。タグを設置した時点では問題なくても、サイト改修や担当交代を重ねるうちに、何のためのタグか、誰が管理しているか、どの条件で動くかが分からなくなることがあります。
私たちが確認した制作記録にも、タグが発火していなかったケース、テスト環境に本番用の設定が混ざっていたケース、サイトのソースには見当たらず外部サービス側に古い設定が残っていたケースがありました。画面が正常に見えることと、タグが意図どおり動いていることは別です。
そこで、タグをコードの一部ではなく、目的、読み込み元、管理者、発火条件、送信先を持つ運用対象として整理します。
ページのソースだけでは、タグの所在を判断できない
ブラウザでタグが読み込まれていても、対象ページのHTMLへ直接書かれているとは限りません。共通テンプレート、タグ管理ツール、CMS、外部フォーム、埋め込みサービスなど、別の場所から追加されることがあります。
「このコードを削除してください」という依頼を受けても、最初からソースを消すとは決めません。実際に読み込まれている通信と要素を確認し、次の経路を順にたどります。
- 対象ページへ直接記述されている
- ヘッダーやフッターなどの共通テンプレートから読み込まれる
- CMSの設定やプラグインから出力される
- タグ管理ツールの条件により挿入される
- 外部フォームや接客ツール側に保存されたHTMLから出力される
- 過去ページや別の公開環境だけに残っている
所在を誤ると、サイト側を直しても発火が続く、反対に必要な機能まで止める、といったことが起きます。コードの文字列だけでなく、最終的にブラウザがどこへ通信しているかまで確認します。
タグごとに、目的と管理者を対応させる
同じサイトに入っているタグでも、責任範囲は同じではありません。制作会社が設置した解析タグ、広告会社が管理するコンバージョンタグ、お客さまが契約する外部ツール、サイト機能に必要なCookieでは、変更できる場所も確認先も異なります。
私たちは、少なくとも次の項目を一つの一覧へ対応させます。
- タグや外部サービスの目的
- 対象ページと対象環境
- 読み込み元と設定場所
- 管理アカウントを持つ組織
- 送信する情報と送信先
- 発火する条件
- 停止・削除を判断する担当者
- 変更後の確認方法
アカウント情報そのものを広く共有する必要はありません。ただし、誰へ確認すれば変更できるかが分からない状態は避けます。制作範囲外であれば、推測で操作せず、管理者へ設定確認を依頼します。
「設置されている」と「正しく発火する」を分ける
タグの文字列がHTMLに入っていても、読み込み先のURL、実行条件、対象ドメイン、同意状態、ブラウザの制限によって動かないことがあります。反対に、ソースから消したつもりでも、別経路から同じタグが読み込まれることがあります。
確認は、存在、読み込み、発火、送信、管理画面への反映に分けます。
- 対象ページに必要な設定が存在する
- ブラウザが外部ファイルを正常に読み込む
- 決めた操作や条件でタグが発火する
- 想定した送信先へ必要な情報だけが送られる
- 計測・広告・外部サービス側で結果を確認できる
PC用とスマートフォン用で別のテンプレートを使うサイトでは、片方だけ直して完了にしません。トップだけでなく、フォーム、確認画面、完了画面など、タグの役割に関係するページで確認します。
テスト用と本番用を、環境名だけで判断しない
テスト環境に本番用タグが入ると、社内確認や制作中の操作が本番データへ混ざることがあります。本番環境にテスト用タグが残れば、公開後の成果を確認できません。
環境ごとにIDを替えるだけでなく、本番ドメインだけで発火する条件、テスト時に送信しない条件、公開時に置き換える値を決めます。完成ページを複製する制作では、前回企画のタグ、送信先、公開期間が残っていないかも確認します。
計測結果が空だったときは、利用者がいなかったと決めつけません。タグの未発火、条件の不一致、別アカウントへの送信、同意状態による停止を先に切り分けます。
同意前・拒否時・許可後を別の状態として確認する
Cookieや外部通信の扱いは、サイトの方針、利用するサービス、対象地域、契約条件によって変わります。制作会社だけで法的な判断を確定せず、お客さまや必要な専門家が決めた要件を、画面とタグの動作へ落とし込みます。
実装時は、同意画面が表示されることだけで完了にしません。
- 選択前に、止めるべきタグや外部通信が動いていないか
- 拒否したときに、解析・広告などのタグが発火しないか
- 許可したときに、必要なタグだけが動くか
- 選択を変更したときに、新しい状態が反映されるか
- 必須機能と任意の計測を分けられているか
- 動画など、利用者の操作後に初めて通信するものを区別できているか
すべてを自社開発するより、要件に合う同意管理サービスを利用する方が適切な場合もあります。その場合も、サービスの導入だけで終わらず、サイト固有の機能や外部タグと連動できるかを確認します。
削除した直後に、すべてが消えるとは限らない
外部タグのコードを削除すると、新しい読み込みやCookie設定は止められても、利用者のブラウザにすでに保存されたCookieが直ちに消えるとは限りません。外部サービス側に古いHTMLや設定が残る場合もあります。
削除対応では、コードがなくなったこと、外部通信が止まったこと、サイト機能が壊れていないことを分けて確認します。既存Cookieの扱いや有効期間は、ブラウザとサービスの仕様を確認し、説明できない部分を断定しません。
一時的に外したタグを後日戻す場合は、削除理由、再設置の条件、正しい設定値、確認担当を残します。「一度消したから終わり」にすると、必要になったときに古い設定をそのまま戻してしまいます。
この進め方が有効な場合
- 解析、広告、ヒートマップ、接客ツールを複数利用している
- タグ管理ツールを別会社や別部署が管理している
- テスト環境と本番環境で設定を分ける必要がある
- フォームや動画など外部サービスを埋め込んでいる
- Cookie同意や外部通信の条件を実装へ反映する
- サイト改修や担当交代で、過去のタグが残っている可能性がある
別の進め方が適する場合
外部タグが一つだけで、サイト管理者と計測管理者が同じ場合は、大きな管理表を作る必要はありません。目的、設定場所、確認方法を短く残せば十分です。
一方、法令への適合性、越境データ、広告プラットフォームの契約条件などを判断する場合は、Web制作の確認だけでは完結しません。公開方針を決める担当者や専門家の確認範囲を明確にし、私たちは決定された条件を技術的に検証できる形へ変換します。
計測タグ・外部タグの確認チェック
- タグの目的と必要性を説明できるか
- 対象ページ、対象環境、読み込み元が分かるか
- 設定を変更できる管理者が分かるか
- テスト用と本番用を区別できるか
- 存在、読み込み、発火、送信、結果反映を分けて確認したか
- PC・スマートフォンや重要ページで確認したか
- 同意前・拒否時・許可後の動作を確認したか
- 不要なタグと外部通信が止まっているか
- 削除後にフォームや表示など必要な機能が動くか
- 再設置または担当交代に必要な判断を残したか