検索条件を選び、結果が表示されれば、検索機能は完成したように見えます。しかし実際の運用では、管理画面へ登録した情報が一覧には出ているのに詳細では欠ける、検索結果の件数と表示件数が合わない、非公開にした情報が一部の画面に残る、といった不整合が起こり得ます。
原因は検索画面だけにあるとは限りません。入力項目、データの保存方法、公開条件、一覧と詳細の取得条件、検索条件、ページネーション、CSVや外部CMSとの連携が異なる規則で動くと、画面ごとの差として現れます。
私たちも検索画面だけを触っていると、「検索できた」という結果に安心しそうになります。しかし、問題が見つかるのはその前後です。一つの情報が登録されてから、どの画面に、どの条件で、いつ表示されるかを一続きで確認します。
検索できることと、情報が正しいことは同じではない
検索画面だけを確認すると、その場で入力した条件と表示された結果しか見えません。公開サイトの情報は、管理画面、CSV、APIなどから登録され、一覧、詳細、検索結果、関連表示、通知など複数の場所で利用されます。
そのため、画面単位で合否を決めるのではなく、登録元から公開先まで同じデータ規則が使われているかを確認します。仕様書上の項目名だけでなく、保存される値、未入力時の扱い、公開期間、並び順、削除後の状態までを対応させます。
最初に、情報の基準を一つにする
確認を始める前に、何を正しい状態とするかを決めます。少なくとも次の項目は、管理画面、一覧、詳細、検索結果の間で対応を確認します。
- 情報を識別するID
- 公開、非公開、公開期間などの状態
- タイトル、名称、カテゴリなど検索に使う値
- 一覧だけに表示する項目と、詳細だけに表示する項目
- 未入力を許可する項目と、その場合の表示
- 並び順を決める値
- 削除、終了、期限切れになった情報の扱い
- CSV、API、別CMSなど外部から受け取る値
画面ごとに項目名が違う場合も、元になる値と意味は対応させます。管理画面では「種別」、公開画面では「カテゴリ」と呼ぶ場合は、仕様、テスト項目、運用資料で同じ情報だと分かるようにします。
画面単位ではなく、情報の流れでテストする
一覧だけ、詳細だけを個別に確認すると、画面をまたぐ不整合を見落としやすくなります。一件のテストデータを登録し、次の順序で追います。
- 管理画面または連携データから登録する
- 登録直後の状態と保存された値を確認する
- 一覧に表示される項目、並び順、公開状態を確認する
- 詳細に表示される項目と一覧との対応を確認する
- 登録した条件で検索し、対象データが結果へ含まれることを確認する
- 検索結果の件数と実際の表示件数を確認する
- 条件を組み合わせ、ページを移動しても結果が維持されることを確認する
- 公開状態、内容、カテゴリを変更し、各画面への反映を確認する
- 非公開、期限切れ、削除時に、すべての入口から表示されなくなることを確認する
正常なデータだけでなく、未入力、境界値、同じ値を持つ複数件、結果がゼロ件になる条件も用意します。大量件数を扱う場合は、一ページ目だけでなく、ページ境界の前後と最終ページも確認します。
件数とページネーションは同じ条件で計算する
検索結果に「全120件」と表示されていても、一覧の取得条件と件数の集計条件が違えば、実際の表示件数とは一致しません。公開状態、期間、カテゴリ、キーワードなど、結果を絞る条件は件数計算にも同じように適用します。
ページネーションにも同じ条件を引き継ぎます。二ページ目へ移動すると検索条件が外れる、条件変更後も古いページ番号が残る、最終ページだけ表示件数が合わない、といった状態は、検索操作を繰り返して初めて見つかることがあります。
公開状態は、入口ごとに確認する
情報を非公開にしても、一覧から消えただけでは十分ではありません。直接URL、サイト内検索、関連情報、外部検索用データ、通知、別CMS側の表示など、入口ごとに状態を確認します。
公開予約や終了日時がある場合は、時刻の前後で確認します。プレビューで見える状態と一般利用者に見える状態を分け、権限を持つ利用者だけに表示する情報は、ログイン状態や利用区分ごとに確認します。
CSVや外部連携は、取り込めた後を確認する
CSVやAPIの処理が正常終了しても、公開画面が正しいとは限りません。文字コード、空欄、改行、重複、想定外の値によって、一部の項目だけ欠けたり、検索条件へ反映されなかったりすることがあります。
処理の成功だけでなく、取り込んだ件数、更新した件数、除外した件数を確認します。そのうえで代表データを選び、管理画面、一覧、詳細、検索結果へ正しく反映されているかを照合します。
公開後の実データで、もう一度確認する
公開前のテストデータでは問題がなくても、実データの件数、文字量、カテゴリの偏り、更新頻度によって新しい差が見つかることがあります。公開後は、実際によく使われる検索条件と結果が少ない条件の両方を確認します。
見つかった差は、その場のデータ修正だけで終わらせません。取得条件、登録ルール、テスト項目、運用資料のどこへ戻すべきかを判断し、同じ不整合が再発しない状態へつなげます。
公開前・公開後チェックリスト
- 管理画面の入力項目と公開画面の項目が対応しているか
- 一覧と詳細で、名称、状態、カテゴリなどの基本情報が一致するか
- 検索条件と登録値の関係が明確か
- 検索結果の件数と表示件数が一致するか
- ページを移動しても検索条件が維持されるか
- ゼロ件、未入力、期限切れ、非公開の表示を確認したか
- 直接URLや関連表示から非公開情報へ到達できないか
- CSVやAPIの処理件数と公開画面を照合したか
- 公開後の実データ量と実際の検索条件で再確認したか
- 見つかった差を、仕様、テスト、登録ルール、運用資料へ戻したか