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Before Consulting

AIとWeb制作会社 AIで作れる時代に、なぜWeb制作会社に相談する意味があるのか

制作会社を比較検討していると、「今はAIでもホームページが作れる時代なのに」という疑問が浮かぶかもしれません。実際、シンプルなLPや個人の名刺サイトであれば、AIで十分なケースは少なくありません。ここでは正直に、その線引きから始めます。

BEFORE GUIDE AIとWeb制作会社

遊びで気づいたこと 「ランディング」のはずが、宇宙服になった話

随分前のことですが、遊び半分で試したことがあります。ランディングページ用のイメージ画像を、生成AI(Gemini)に作ってもらおうとしたときのことです。

最初の指示はシンプルでした。

  • 「ランディングページをイメージする画像を作成したいです」
  • 「Webサイトのランディングページを想起させる画像」

ここで「パラシュートで着地するイメージ」と伝えたところ、近未来的な山あいの都市に、宇宙服のような装備をまとった人物が降り立つ絵になりました。「もっと現代的なイメージで」と直しても、都市が変わっただけで人物の装備は変わりません。「未来じゃなくて」「広い草原に着地」「人は一般人」と、一つひとつ具体的に打ち消していきましたが、結局、狙っていた雰囲気には遠く、そこで諦めました。

近未来的な山あいの都市に、宇宙服姿の人物がパラシュートで着地するイメージ画像 近未来的な山あいの都市に、宇宙服姿の人物がパラシュートで着地するイメージ画像(別カット) 現代的な都市の上空を、宇宙服姿の人物がパラシュートで降りてくるイメージ画像 草原に、宇宙服姿の人物がパラシュートで着地するイメージ画像 草原に、一般的な服装の人物がパラシュートで着地するイメージ画像

指示を出すたびに変わり続けた画像の一部です。舞台も人物の装備も大きく変わりましたが、左上の見出し文字だけは、どれも一度も直っていません。

指示を出すたびに絵は大きく変わるのに、狙った着地点には近づかない。そして、もう一つ気づいたことがあります。背景も人物も指示のたびに作り直されているのに、画面左上のロゴ横に表示されている見出し文字(本来意図した文言とは違う、崩れた表記)だけは、8回作り直しても一度も直っていませんでした。

的確な指示や明確な方針を持たないままAIに修正を重ねても、必ずしも狙った場所にはたどり着きません。むしろ、直しているつもりでも、見落としている部分は、そのまま残り続けます。

実務でも起きること 同じ構造の問題が、実務でも起きる

これは画像生成だけの話ではありません。実際にプログラムやWebサイトの調整をAIに任せていくと、同じ構造の問題が起きます。

  • 散らかる:一つの調整が設定やファイルのあちこちに飛び火し、元に戻そうとしても、使われなくなった設定やファイルが残り続ける
  • 増殖する:少し違うケースが出るたびに、既存のものを直すのではなく、新しいものを足してしまい、ファイルが増えていく
  • 共通化が効かない:「ここは共通のはず」という前提が実は成立しておらず、直したつもりの箇所が、他の場所には反映されていない
  • 見えなくなる:エラーが起きても、AIが安易にフォールバック処理を入れてしまい、表面上は動いているように見えてしまう

一つひとつは小さな調整でも、積み重なると、直したいところがどこにあるのか分からなくなり、気づいたときには手がつけられない状態になっています。

判断が必要な理由 AIが得意なのは「平均」。向き合うべきは、型にはまらない欲求。

AIは、大量のデータから「もっともらしい答え」を導き出し、それを広げていくことを得意としています。指示に対して、平均的で無難な結果を素早く返すという点では、非常に優秀です。

一方で、本当に新しいものは、平均からは生まれません。特定の人や組織が抱える、型にはまらない、いびつな欲求——多くの場合、本人たちもうまく言葉にできていない要望——こそが、これまでにない形を生み出す起点になります。

その欲求は、言われたことにただ応えるだけでは拾えません。使う人や公開後の姿を想像し、言葉になっていない部分まで踏み込んで初めて、形にできます。この考え方は、FHWのロゴに込めた「+」の思想 とも重なっています。

AIにできることは任せ、いびつな欲求を汲み取って形にすることは人が担う。その組み合わせ方こそが、私たちの役割だと考えています。

AIと組んだ実例

方針を持ってAIと組めば、ここまで作れる

私たち自身も、制作の現場でAIを活用しています。AIが悪いのではなく、判断のないままAIに任せ続けることが問題です。方針と設計判断を持った上でAIと組めば、こういうものが作れる、という実例を公開しています。

  • 学校データ39,424件を、都道府県・市区町村・駅・路線・地図から高速に検索できる仕組み
  • 不動産会社向けの物件検索・会員機能・お気に入り・問い合わせ導線を備えたシステム(デザイン・レイアウトは案件ごとに柔軟に設計)
  • ログイン・権限管理・お知らせ投稿・ファイルアップロードを備えた管理画面
  • 営業時間・予約枠・上限数から空き状況を判定する予約管理

いずれも機能ごとに責任範囲を分けて設計し、不動産情報の外部連携など専門領域は自社パッケージとして切り出しています。実際の画面はデモサイト不動産検索デモでご確認いただけます。

また、社内に蓄積されたプロジェクトごとの反省会の議事録や社内SNSのやりとりなど、日々の一次情報をAIが読み解き、匿名化した記事として構造化する仕組みも運用しています。実際に公開している「実務知識」や「ケーススタディ」の多くは、こうした一次情報をもとに作られています。

問われているのは、AIを使うかどうかではありません。どこに判断を置くかです。方針を持たないままAIに指示を重ねれば、冒頭の画像生成と同じように、狙いから遠ざかっていきます。判断を人が担い、実装をAIと分担できれば、規模のあるシステムも、量のあるコンテンツも、狙った形にたどり着けます。

NEXT GUIDE

次に確認したいこと

判断は人が行い、実装をAIと人が分担する——どこにその境界線を引けるかが、実務では分かれ目になります。私たちがどこまで対応できるかをご確認ください。