本文へスキップ
  1. TOP
  2. Web制作
  3. 実務知識
  4. 対応端末・ブラウザは、利用場面からどう決めるか

03 / BUILD

つくるフェーズの実務知識

対応端末・ブラウザは、利用場面からどう決めるか

名前の一覧ではなく、誰が・どこで・どう使うかから検証範囲を選ぶ

公共空間でスマートフォン、タブレット、ノートPCを使う人々

PRACTICAL KNOWLEDGE 実務知識

WRITTEN BY

FHW制作チーム

反省会と日々の制作記録をもとに、担当スタッフが実際に迷い、確認し、判断した過程を整理しています。

「スマートフォン対応でお願いします」と始まった制作でも、実際の利用場面を聞くと、現場ではタブレットを横向きで使う、社内では小さめのノートPCが多い、古い端末ではなく特定のブラウザ設定が問題になる、と前提が変わることがあります。

私たちも、最初の想定をそのまま仕様にせず、使う人と場所を確認して優先端末を見直したことがあります。逆に、端末名だけを増やすと確認量は膨らみますが、本当に使われる場面の品質が上がるとは限りません。

ここでは、対応表を埋めるためではなく、利用者が目的を完了できる範囲を決めるための端末・ブラウザ確認を整理します。

端末名より先に、誰が・どこで・どう使うかを聞く

同じスマートフォンでも、移動中に片手で見る場合と、店頭で説明を受けながら操作する場合では、必要な文字サイズやボタンの位置が変わります。端末は利用場面と一緒に整理します。

  • 個人の端末か、会社や施設から支給される端末か
  • 立ったまま、座って、片手で、複数人で見るのか
  • 通信が安定した場所か、移動中や屋外か
  • 閲覧だけか、長文入力、検索、予約、決済まで行うか
  • 社内規定でブラウザや設定が固定されていないか

利用場面が分かれば、画面幅だけでなく、タップ領域、入力のしやすさ、通信失敗時の案内まで確認対象にできます。

「対応する」を、同じ見た目に揃えることだと思わない

端末ごとに数ピクセルまで同じ見た目へ揃えることが、対応の目的ではありません。情報を読める、操作できる、入力内容を失わない、次の行動へ進めることを優先します。

大きな演出や横長の表は、狭い画面では並び方を変える場合があります。ホバーで見せる情報にはタップやキーボードでも到達できる手段を用意します。動きが使えない環境でも、内容と操作が残る形を先に決めます。

検証範囲を、優先・代表・簡易確認に分ける

すべての端末とブラウザを同じ深さで確認することはできません。実際の利用割合、業務上の重要度、機能の複雑さから深さを分けます。

  • 優先環境:主要な利用者が使い、フォームなど重要操作を最初から最後まで確認する
  • 代表環境:画面幅やブラウザエンジンの違いを代表し、主要ページと操作を確認する
  • 簡易確認:利用可能性は低いが、閲覧不能や重大な崩れがないかを見る
  • 対象外:対応しない理由と、必要な場合の代替手段を明示する

対応範囲を狭める場合も、単に切り捨てるのではなく、利用状況と代替手段から判断します。

きれいなサンプルではなく、境界の内容を試す

端末差は、トップページだけでは見つかりません。長い見出し、画像なし、表、入力エラー、メニューの最下部、画面回転など、崩れやすい条件を選びます。

  • 最長と最短の見出し・本文
  • 画像がない、または縦横比が異なる状態
  • 入力エラーが複数表示されたフォーム
  • 横に広い表、絞り込み、タブ、モーダル
  • 文字サイズを拡大した状態
  • 低速回線や読み込み途中の状態

手元にない端末は、再現情報を揃えて判断する

制作側に同じ端末がない場合、スクリーンショットだけでは原因を追えません。端末名、OS、ブラウザ、画面の向き、URL、操作手順、発生時刻、毎回起きるかを揃えます。

確認できない環境を「問題なし」とは扱いません。確認した範囲、相手側で確認する範囲、修正後に再確認する人を分け、証跡を残します。

端末・ブラウザ確認のチェックリスト

  • 利用者、場所、姿勢、主な操作を確認したか
  • 会社や施設で指定される端末・ブラウザがあるか
  • 優先、代表、簡易確認、対象外を分けたか
  • 見た目ではなく、目的を完了できることを基準にしたか
  • 長文、画像なし、エラーなど境界の内容を試したか
  • ホバーや動きが使えない場合の代替があるか
  • 手元にない環境の再現情報と確認担当を決めたか
  • 確認した端末・OS・ブラウザ・日時を残したか

PRACTICAL KNOWLEDGE 同じフェーズの実務知識

私たちが別の制作で得た判断や確認方法を、同じ制作フェーズからご覧いただけます。

複数社でWeb制作の引き継ぎ内容を確認する作業デスク

自社で公開できないWeb制作で、入稿・納品・確認の責任範囲をどう決めるか

外部CMSや別会社の環境へ入稿・納品する制作で、利用できる技術、確認段階、修正の戻し先、完了条件をどう決めるか整理します。

支給デザインを共通ルールと例外へ分けて確認する制作チーム

支給デザインを、共通ルール・例外・動作仕様へどう変換するか

Figma、画像、印刷物、参考サイトなどの支給物から、共通部品、例外、可変条件、レスポンシブ、動作仕様を整理し、複数人で再現できる実装ルールへ変換する方法をご紹介します。

急増したAPI利用料金の請求明細とグラフを確認する制作チーム

55万円請求を生んだ、公開ページと従量課金APIを直結する落とし穴

公開ページへの機械的な大量アクセスが従量課金APIの大量実行へ増幅され、約55万円の請求に至った経験から、外部APIの費用上限、クォータ、キャッシュ、監視の設計を整理します。

公開日時と素材の進行状況を確認するWeb制作の作業デスク

公開日を動かせないWeb制作で、未確定素材・版管理・日時公開をどう管理するか

公開日時が固定された制作で、後から届く素材、複数の版、日時指定公開、公開直前の変更を安全に管理する方法をご紹介します。

Web制作中に増えた要望と工程への影響を整理する制作チーム

その追加要望、今入れますか? Web制作中の変更をどう判断するか

Web制作中に増えた要望を、目的、合意範囲、影響する工程、費用、日程、公開時期から確認し、修正・追加対応・公開後対応へ整理する方法をご紹介します。

短納期の制作で公開条件と後工程をカードに分ける制作チーム

短納期のWeb制作で、削ってよい工程・削ってはいけない確認は何か

短い制作期間で、共通ルール、未確定素材、確認範囲、公開後へ送る改善を整理し、速さのために品質判断まで省略しない進め方をまとめます。

受付窓口で申込書と処理の流れを確認する担当者と利用者

紙・PDFで続けてきた申込・注文業務を、どうWebへ移すか

紙やPDFで行ってきた申込・注文業務をWeb化するとき、利用者の操作、受付側の確認、例外処理、計算、保存、外部連携までを一続きで設計する方法を整理します。

Webフォームの入力から通知までを検証する作業デスク

フォームの送信確認で、通知・自動返信・保存データ・担当振り分けまでどう検証するか

Webフォームについて、入力・確認・送信だけでなく、管理者通知、自動返信、保存データ、担当振り分け、本番環境でのメール到達までを一続きで検証する方法を整理します。

CSVの一括更新結果と既存データへの影響を確認する資料

CSVで一括登録・更新するとき、既存データをどう守るか

CSVの一括登録・更新で、識別キー、空欄、部分失敗、事前確認、再実行、復旧を安全に扱う確認方法を整理します。

更新担当者と制作会社がページテンプレートの編集範囲を確認する作業台

お客さまもHTML・CSSを更新するサイトで、編集範囲をどう設計するか

お客さまがHTML・CSSを直接更新するWebサイトで、編集できる範囲、共通部品、CSSの影響範囲、変更履歴、制作会社へ相談する条件をどう決めるか整理します。

会員の登録状態と役割ごとの権限、外部連携を整理した立体模型

会員サイトで、登録状態・役割・権限・外部連携をどう設計するか

会員サイトの登録途中を含む状態、役割ごとの操作権限、外部サービスとの状態差、機能を段階公開する場合の判断方法を整理します。

少量のサンプルから本番規模の多様なコンテンツへ広げて検証する模型

少量のサンプルで動くWebサイトを、本番規模でも崩さないために何を試すか

数件のきれいなデータだけでは見つからない、最大件数、長文、画像量、空欄、ページ送り、一括処理の問題を公開前に確かめる方法を整理します。

原稿から複数言語のページと公開状態へ展開する編集工程

多言語サイトで、翻訳原稿・共通部品・段階公開をどう同期するか

多言語サイト制作で、ページと言語の対応、翻訳原稿の状態、共通部品の文字量差、言語ごとの段階公開を安全に管理する方法を整理します。

共通基盤でつながりながら役割を分けた複数サイトの建築模型

複数サイト・複数部署で、共通部分と運用範囲をどう分けるか

複数サイトや複数部署で運用するとき、共通化する見た目・情報・仕組み、権限、公開日、正となる情報源をどう分けるかを整理します。

光と布の動きが段階的に変化する展示空間

動きのあるデザインを、雰囲気ではなく実装仕様へどう変えるか

参考サイトやデザインの動きを、開始条件、時間、順番、終了状態、読み込み、端末ごとの代替表現へ分解し、安全に実装する方法を整理します。