仕様書が残っていない既存システムを、どう安全に改修するか
現在の画面やコードだけでは判断できない業務ルールを、実際の操作、データ、通知、担当者の使い方から復元し、安全に改修する方法を整理します。
03 / BUILD
つくるフェーズ
記事・画像・会員・URL資産を、新しい仕組みへ安全に引き継ぐ。
Webサイトのリニューアルでは、デザインやCMS、システムに注目が集まりがちです。CMSの乗り換えでは、記事や画像を移す「コンテンツ移行」と、新しいデータ構造へ変換する「CMSコンバート」を一体で考える必要があります。
しかし実際には、既存サイトのデータをどう引き継ぐかが重要なテーマになることも少なくありません。
Flying High Works(FHW)では、データ移行を単なるコピー作業ではなく、サイトリニューアルにおける重要な設計工程として考えています。
移行方法・費用・期間を判断するため、最初に現行サイトと運用状況を確認します。
管理画面やデータベースへ接続できない場合も、CSV・XML・API・公開ページなど、取得できる情報から現実的な方法を検討します。
長年運用されているサイトでは、多くの情報資産が蓄積されています。
これらを安全に移行しながら、新しいサイトへ引き継ぐ必要があります。
「WordPressへ移行したい」「Laravelへ移行したい」というご相談をいただくことがあります。
しかし実際には、CMSを変更することよりも、データをどう移行するかの方が難しいケースも少なくありません。
そのため、新しいシステムを作るだけではなく、旧サイトのデータをどのように新しい構造へ変換するのかを設計する必要があります。
一般的なリニューアルでは、まず新サーバー上に開発環境を構築します。
その際、旧サイトのデータを取得し、新サーバーへ移行します。
その後、新しいシステムに合わせた移行プログラムを作成し、データの変換を行います。
サイト制作中も、旧サイトは運用を続けていることがほとんどです。
そのため、初回移行だけでは終わりません。
構築中に移行プログラムを改善しながら、データが正しく移行できる状態を作っていきます。
公開直前には、初回移行以降の差分データを吸収するため、移行プログラムを再実行します。
公開直前に旧サーバーのデータを再取得し、移行プログラムを再実行することで、差分を吸収する方法を取ることがあります。
これにより、サイト停止期間を最小限に抑えながら公開できます。
WordPressの場合、取得方法はいくつかあります。
WordPressが提供しているREST APIを利用して取得する方法です。
公開されている情報を比較的安全に取得できます。
データベースへ直接接続し、必要な情報を取得する方法です。
大量データの移行や、細かな情報を取得したい場合に利用します。
エクスポートデータを利用する方法です。
環境によってはこちらを利用することもあります。
私たちはWordPress移行用のプログラムも整備しています。
重要なのはWordPressのデータを取得することではなく、新しいシステムの構造へ合わせて変換することです。
データ移行で意外と時間がかかるのが画像です。
こうしたサイトでは大量の画像が存在します。
さらに、フォルダ構成変更、ファイル名変更、URL変更などが発生することもあります。
そのため、画像移行専用のプログラムを作成することもあります。
サイト規模が大きくなるほど、画像移行は重要なテーマになります。
会員サイトの場合、会員情報の移行も重要になります。
ただし、ログインパスワードは注意が必要です。
多くの場合、旧システムと新システムでは、パスワードの暗号化方式が異なります。
そのため、会員情報は移行できても、パスワードをそのまま引き継げないケースがあります。
その場合は、パスワード再設定メールを送信するなど、利用者に再設定していただくフローを設計します。
会員数が多いサイトでは、公開前から準備が必要になることもあります。
データ移行と同じくらい重要なのがURLです。
リニューアル時には、URL構造が変わることがあります。
例えば、/news/123 から /column/123 のように変わるケースです。
この場合、旧URLへアクセスしたユーザーや検索エンジンを、新URLへ案内する必要があります。
などを利用してリダイレクトを設定します。
また、Google Search Consoleの情報も確認しながら、重要なページを引き継ぐ設計を行います。
CMSコンバートとは、単にデータを移すことではありません。
重要なのは、どのCMSから移行するかではなく、現在のデータを新しい構造へどう整理するかです。
そのため私たちは、CMSそのものよりも、データ構造や運用フローを重視して移行設計を行っています。
CMS・データ移行は、ページ数だけでは見積もれません。移行元から取得できる形式、データ量、変換ルール、画像や会員情報の有無、URL変更、差分移行の回数によって作業範囲が変わります。
データ件数だけで一律料金を示すのではなく、取得・変換・検証・切り替えまでを分けてお見積りします。調査前の段階では、確定額ではなく想定範囲としてご案内します。
公開後は、主要ページの表示、画像・添付ファイル、検索・絞り込み、会員ログイン、旧URLからのリダイレクトなどを確認します。移行後の修正対応と、CMS・システム本体の保守は対象が異なるため、対応範囲と期間を事前に整理します。
物件情報のように日々追加・更新されるデータは、初回移行だけでは公開時点の内容と一致しません。現行サイトを動かしたまま構築し、テスト移行、差分移行、最終切り替えを段階的に行います。
実際の流れは、不動産会社向けWebサイトシステムのデータ移行でも具体的に紹介しています。
私たちはデータ移行を、リニューアル時の付随作業とは考えていません。
むしろ、長年蓄積された情報資産を未来へ引き継ぐための重要な工程だと考えています。
データ移行で重要なのは、データを移すことではなく、新しいシステムで活用できる状態に整理することです。
これらをどのように引き継ぐかによって、リニューアル後の運用は大きく変わります。
私たちは、新しいサイトを作るだけではなく、既存の情報資産をどのように活かすかという視点で移行設計を行っています。
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