Web制作会社の「中の人」に聞いてみた!アートディレクターが思う“個性のない幕の内弁当”って?

 

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現在、主にデザインのディレクションを担当する一方で、営業窓口としても高くお客様から信頼を得ている、アートディレクターの藤村千夏さん。

 

入社6年目となる藤村さんが、お客様とのやりとりを通じて日頃から気になっていたこととは・・・?

 

「アートディレクター」はお客さんの要望を聞いて、制作者に適切なディレクションを行う人

 

—そもそも「アートディレクター」ってどんなお仕事をされているんですか!?

 

藤村:お客様のご要望を聞いて、ビジュアルコミュニケーションの部分でお客様のご要望を解決していく。フライングハイワークスではそういう仕事をする人を「アートディレクター」と呼んでいます。「アートディレクター」にはお客様の声を自分のフィルターに通して形にしていく、そういう点に仕事の楽しさがあります。

 

—名刺に所属が書かれていませんが、現在は特定の部署には所属していないんですか?

 

藤村:私はもともとデザイナーなんです。でも、フロントとしてお客様の前に立つことが多くなってきたので、今は部署の垣根を超えて掛け持っているという感じですね。デザインもやるし、ディレクションチームと一緒にディレクションもやるという形で。現在は兼ねています。

 

−デザインは学生時代から?

 

藤村:高校も美術系、美術大学を卒業し、グラフィック系の会社を2社ほど経験しました。紙媒体なら初めから読んでストーリーがわかるように、Webでは途中から入ってきても迷わないようにナビゲートするという点が重要だと考えています。ただ、「伝えたいことを伝わるようにする」という点では、紙もWebも変わらないと思っています。

 

−これまでに特に思い入れある仕事は何かありますか?

 

藤村:立ち上げ当初から関わらせていただいているお客様なのですが、長くお付き合いさせていただいているので様々な事業部のサイト制作をさせていただきました。そうすると、担当者の方と別の事業部の方と会っても、他の事業部の話をすることができるので、「ウチのことよく知ってますね!」と言っていただけたり(笑)。業務理解の深さでより良い提案が出来る。そういう時は長く続けていて良かったなと思います。

 

良いものを作るために、お客さんと一緒に“たのくるしむ”

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−相手が考えるイメージを汲み取るために気をつけていることは?

 

藤村:考え方の面と具体的なテクニックの両面があると思っています。考え方の面では“たのくるしい”ですね。期限の中で最高のものを作りたいというプレッシャーが苦しいのですが、そのクリエイティブな時間がとても楽しくて、それを「たのくるしい」といっています。提出したデザインがお客様のイメージと遠かったらお客様がくるしいと思いますが…。お互いのイメージをすり合わせて行くやりとりに価値があるというか。お客様理解が深まるのでその工程を大切にしています。

 

具体的なテクニックの面で言えば、先方のイメージを少しでも理解できるよう、参考サイトや雑誌などを使って、探れるものは何でも探るということですね。例えば「かわいい」という表現一つをとっても、ギャル的なかわいさとゆるキャラ的なかわいさとでは全く異なりますので。

 

明確なビジョンがないと“個性のない幕の内弁当”ができあがる

 

−二択です。「要望が事細かに全部決まっているお客さん」か「一から全部任せるというお客さん」、どちらがやりやすいですか?

 

藤村:お客様がはっきりとしたビジョンをお持ちなので、前者ですね。後者は一見おもしろそうなんですけど、やっぱり後で、お客様の方で迷われてしまうんですよね。

 

例えば、「日本食が食べたいです!」というお客様がいたとして、それではと日本食を出したら、「いや待てよ、中華かもしれないな」とおっしゃったりする。でもって、今度は麻婆豆腐とチャーハンを用意して持って行くんですよ。すると「やっぱり社長が洋食って言ってました!」ということになったりして…。

 

そうすると、結果的には“何もできない”か、“個性のない幕の内弁当”ができあがってしまうんです(笑)。これって結構クリエイティブあるあるだと思っているんですけど、そういう時は「全部乗せで無個性の何か」ができてしまうんですよね…。

 

大切なのは、クリエイティブに対して「諦めないこと」

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−それは辛いですね…。それでは“デキる”アートディレクターにはどんな能力・素養が必要だと思いますか?

 

藤村:クリエイティブに対して「諦めないこと」ですね。進行上、無理な依頼や修正が入って正直諦めたくなることもあるんですが、どんな依頼が来たとしても、何とかして形にしようとする姿勢が大切なんです。

 

あとはニーズをキャッチできる、ユーザーの気持ちがわかることなどですかね。こちらとしても変なものは納品できないので、お客様の要望を満たすものを作る。やっぱり「諦めない力」って大事だと思いますね。

 

アートディレクターはデザインを、人にお願いするので、まずは、いいものを作るというゴールを共有し、諦めない・諦めたくないと思ってもらう努力が必要なんだと思います。

 

−デザインのセンスを磨くためにできることってありますか?

 

藤村:デザインが苦手な人はそのままでいてください。なぜなら、私の仕事がなくなってしまうから!…というのは冗談で(笑)何かかっこよく作りたいという強い思いがあれば、その気持ちだけでも日々見えてくるものが変わってくるはずです。

 

アートディレクターやデザイナーを目指している方に向けるなら、数。数を見ろ、ですね。世の中に出てきているものは、誰かのチェックを経て出てきているものなので、その気になれば何でも勉強になっちゃいますよ!