AWS DNSの設定概要(Route53)

 

前回のAWS IPアドレスの固定(Elastic IPアドレス)では、Webサーバーインスタンスに固定IPを設定することができました。

DNSの設定が完了すれば、AWS上の基本的な設定が完了します。

さて、DNSの設定にあたり、Webサイトの表示される仕組みに簡単に触れていきたいと思います。

Webサイトの表示の仕組み

インターネットは、様々なサーバーとデータのやり取りができるネットワークです。ブラウザにURLを入力すれば、Webサイトのデータがインターネットを介して届き保存され、ブラウザにWebサイトが表示されます。

このデータのやり取りには、必ずそのデータをリクエストする宛先とリクエストの戻り先の情報が必要で、その宛先と戻り先を表すのが、インターネット上の住所と言われるIPアドレスになります。

インターネット上のグローバルIPアドレスとローカルネットワークのプライベートIPアドレスを組み合わせることで、宛先と戻り先が特定できるのです。

一般的なWebサイトの表示まで

URLをリクエスト

URLをリクエストすると、そのリクエスト先の情報リクエストの内容戻り先の情報などが送信されます。

  • リクエストの内容は「http(s)」
  • リクエスト先は「www.flying-h.co.jp」
  • 戻り先は「プライベートIPアドレス」

となります。そして、ルーターを介しますので、このルーターのグローバルIPアドレスが追記されます。

IPアドレスを探す

インターネット上では、データの持っているサーバーの住所であるIPアドレスが必要なので、DNSに、ドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせます。

DNSは、そのリクエストに対して、ドメインのIPアドレスを教えてくれる役割を果たします。

③ IPアドレスを返す

DNSでは、フルリゾルバといわれるキャッシュサーバーがあります。

このフリリゾルバが、リクエストされたドメインのIPアドレスをキャッシュしていれば、そのままIPアドレスを戻り先IPアドレスに返します。

知らない(キャッシュされていない)ならば、各レベルのネームサーバーに複数回問い合わせ、IPアドレスを見つけ、その情報を戻り先のIPアドレスに返します。

この情報は、一定の時間フルリゾルバにキャッシュされます。

④ Webサーバーにアクセス

ブラウザは、IPアドレスを受けとると、直接Webサーバーに各種情報とともに接続します。

⑤ データを返す

Webサーバーは、リクエストの内容に応じてプログラムが起動し、リクエストされた情報を返します。

リクエストの内容には、ウェルノウンポート番号が代表的で、下記のようなものがあります。

  • SSH:22
  • SMTP:25
  • HTTP:80
  • HTTPS:443

DNSについて

上述の「② IPアドレスを探す」から「③ IPアドレスを返す」までをもう少し詳しく解説します。

① 例えば、ブラウザから、google.comをリクエストをすると、まずは、フルリゾルバというキャッシュサーバーに問い合わせをします。フルリゾルバがIPアドレスを知っていれば(キャッシュしていれば)、そのままIPアドレスを返します(⑤)。

② フルリゾルバがキャッシュを持っていなければ、フルリゾラバは、最初に、ルートネームサーバーにgoogle.comのIPアドレスを問い合わせます。ルートネームサーバーは、[.com](.coや.netなど場合によります)のネームサーバーに問い合わせるよう、返します。

③ フルリゾルバは、次に、[.com]ネームサーバーに対し、google.comのIPアドレスを問い合わせます。[.com]ネームサーバーは、[google.com]のネームサーバーに問い合わせるよう、返します。

④ フリリゾルバは、最後に[google.com]のネームサーバーに問合せます。[google.com]のネームサーバーはIPアドレスを返します。

このネームサーバーは、例えばお名前.comがドメインを管理している場合には、お名前.comのネームサーバーが、[.com]ネームサーバーにより指定されます。

⑤ブラウザは、フルリゾルバから返されたIPアドレスを受けとると、そのIPアドレスのサーバーに直接接続し、データを受けとります。

ちなみに、ルートサーバーは、世界に13機しかないそうです。その負荷軽減にフルリゾルバ(キャッシュサーバー)が貢献しています。

Route53とは

上記でDNSの働きについて確認しましたが、今回使用するRoute53というサービスは、最後のネームサーバーを構築するサービスです。

構築したネームサーバーのURLをドメインを管理しているお名前.comなどの管理画面で登録することで、IPアドレスがユーザーに伝わるようになります。

DNSが管理しているリソースレコードタイプ

DNSの設定の際に登場するリソースレコードタイプについて、簡単に説明しておきます。

NSレコード

Name Serverの略で、特定のサブドメイン+ドメイン名について、どこで当ドメインのIPアドレスが見つけられるかを知らせるサーバー名を設定します。

SOA

Start of authorityの略で、ドメインのゾーン(管理する範囲)に関する情報が記載されている場所になります。

A(AAAA)レコード

Addressの略で、サブドメイン+ドメインにIPアドレスを関連付けるレコードタイプです。

IPv4ではAレコードで、IPv6ではAAAA(クワッドエー)レコードで設定します。

CNAME

Canonical Name(正規名)の略です。特定のサブドメイン+ドメイン名を別のサブドメイン+ドメイン名への転送を設定します

MXレコード

Mail Exchangerの略です。サブドメイン+ドメイン宛てのメールを指定のメールサーバーに配送することができます。

まとめ

今回は、Webサイトの表示の仕組みについて解説し、DNSの働きを確認しました。

次回は、お名前.comでドメインを取得し、実際にRoute53サービスを利用して、DNSの設定を行っていきます。

一覧:AWS サーバー立ち上げ設定まとめ

文責:フライング・ハイ・ワークス代表 松田 治人(まつだ はるひと)
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